日本テレビ系ドラマ「明日、ママがいない」(水曜午後10時)のスポンサー、JX日鉱日石エネルギー(ブランド名エネオス)とキユーピーは、22日に放送された第2話で、CMの提供をしなかった。放送前、JX日鉱日石は「視聴者からのご意見をふまえ、CMの放送は控えさせていただきます」とコメント。キユーピーも前日、提供社名を外すことを協議しているとしていた。

 この日の第2話放送では、ACジャパン(旧公共広告機構)のCMが3回流れた。ACジャパンはテレビ、新聞など各社の会費でCMを作り、無料で提供している。スポンサーがCMを自粛した時など、空き枠を埋めるために使われる。

 芦田愛菜(9)主演同作は児童養護施設が舞台。これまで施設関係者を傷つける恐れがあるなどとして、「こうのとりのゆりかご」(赤ちゃんポスト)を設置する熊本市の慈恵病院のほか全国児童養護施設協議会、全国里親会が放送中止や表現の改善を求めている。慈恵病院は22日、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送人権委員会に審議を求める申立書を送付した。またこの日、熊本市の幸山政史市長は会見で「過激な描写や演出、現実離れした表現が多く誤解を与えかねない。局は、施設当事者の声を真摯(しんし)に受け止めてほしい」と述べ、改善を求めた。