広島市出身の被爆2世で、両耳が聞こえない作曲家として知られる佐村河内守(さむらごうち・まもる)さん(50)の「交響曲第1番

 HIROSHIMA」などの主要な楽曲は、別の音楽家が作ったものだったと5日未明、佐村河内さんの代理人が明らかにした。十数年前から佐村河内さんが別の人物にイメージなどを伝え、曲にしてもらっていた。佐村河内さんは深く反省しているという。

 代理人によると、佐村河内さんの作曲ではないことが分かった楽曲のうち、「ヴァイオリンのためのソナチネ」は、フィギュアスケート男子の高橋大輔がソチ冬季五輪のショートプログラムで使用する予定。

 公式サイトなどによると、佐村河内さんは作曲を独学。「バイオハザード」「鬼武者」などのゲーム音楽で注目を集めた。35歳で聴力を失った後も、絶対音感を頼りに作曲を続けた。米タイム誌で「現代のベートーベン」と評され、11年7月20日にリリースした「交響曲第1番

 HIROSHIMA」が、約1年8カ月を経た昨年3月に累計出荷枚数で10万枚を突破した。クラシックCDでは異例の大台を記録したことでも話題になった。同作は、100人を超える大編成のオーケストラにより、80分を超える演奏で奏でる壮大な交響曲。特に被災地の東北で突出したセールスを記録していた。