歌舞伎俳優の尾上松也(29)が16日に開催される「神宮外苑花火大会」(日刊スポーツ新聞社主催)の絵画館前会場に出演することが7月31日、発表された。自主公演「挑む」(8月13~15日、東京・日本橋公会堂)で上演する舞踊「お祭り」を披露する。80年から始まった神宮外苑花火大会で、歌舞伎俳優が登場して歌舞伎の演目を上演するのは初めて。

 こん身の踊りを見せる。松也が自主公演を始めたのも、ミュージカルやドラマに出演するのも、松也に興味を持った多くの人に歌舞伎を見てほしいという気持ちが背景にある。その意味で、何十万人もの観客が集まる神宮外苑花火大会は絶好のアピールの場となる。

 「お祭り」は、いなせな鳶頭(とびがしら)が、軽やかで粋な清元の曲で踊る華やかで明るい踊り。市川団十郎さん、片岡仁左衛門、中村勘三郎さんが、病気から復帰した時に踊った人気舞踊だ。松也も大好きな踊りで、「挑む」の上演演目に選んだ。これまで歌舞伎に縁のなかった花火見物の人たちも楽しめるように、当日はいっそう力が入りそうだ。

 松也にとって、野外での踊りは初体験となる。舞台衣装を着て踊るため、雨が最大の敵となる。関係者は「少しでも雨が降ると、演目の上演が中止となる場合がある。当日は雨が降らないでほしい」と切実な思いで本番を待っている。