<第65回NHK紅白歌合戦>◇12月31日◇NHKホール

 聖子が娘の晴れ姿に泣いた。目玉企画「みんなで歌おう!

 アナと雪の女王」のコーナーで、娘の神田沙也加(28)が歌う映像を見ながら、母の松田聖子(52)が感極まった。

 同作でヒロインのアナの声優を演じた沙也加は、ニューヨークのタイムズスクエアから、米国版「アナと雪の女王」で、雪の女王エルサの声優を務めたイディナ・メンゼルと生中継で登場した。神田が「ずっと尊敬していたミュージカル女優さんです」とイディナを紹介。録画映像だったが、アナとエルサ姉妹のデュエット曲「生まれてはじめて」を歌った。圧倒的な歌唱力は、NHKホールの舞台上で見守る聖子にも届いた。スクリーンを見つめる聖子は、曲が終わると瞳を潤ませ、右手で涙を拭うしぐさをした。

 ハイライトは、続く録画映像の中の2人と紅白出場歌手での「Let

 It

 Go」だった。娘との合唱が実現すると、顔はみるみるうちにくしゃくしゃになっていった。あまりの泣き顔に、隣のMay

 J.に肩を抱かれた。

 アイドル聖子の絶頂期だった85年1月23日。当時交際していた郷ひろみとの破局会見で「生まれ変わったら一緒になろうね」と名ゼリフを残した“涙の会見”をほうふつとさせるシーンだった。涙はこぼれ落ちなくても、娘の晴れ舞台は、母にとって人生で屈指の瞬間に変わりない。終了後、「感動されたのですか?」と問われると、感無量の面持ちで「はい…。胸がいっぱいになりました」と答えた。【瀬津真也】