リオデジャネイロ五輪に大半のロシア選手の出場が認められる見通しとなる中、出場が認められなかった女子棒高跳びのスター、エレーナ・イシンバエワが25日、写真共有アプリ「インスタグラム」で「私が陸上競技のためにしてきたことを思うと、涙が頬を伝い落ちる」などと悲しみを率直に表した。

 またイシンバエワは25日、五輪参加をチームとして禁じた国際陸連の処分を不服とし、欧州人権裁判所に提訴したと明らかにした。ロシア通信が報じた。

 イシンバエワは女子棒高跳びの世界記録保持者。34歳となり、リオ五輪を競技人生の集大成の場に位置付けてきた。

 国際オリンピック委員会(IOC)は24日、ロシア選手のリオ五輪排除は避けると同時に、陸上選手の出場を認めない国際陸連の処分も追認。イシンバエワらの五輪出場の可能性が消えた。

 イシンバエワはIOCの決定後、インスタグラム上で「リオへの戦いは終わった」と発言。ロシアのテレビに対しては「五輪勝利で選手人生を終えるという希望は絶たれた」と失望を語った。

 一方「誰も私の権利を守ってくれなかった」と、国際スポーツ界などに強い不満を訴えた。

 フィギュアスケートの2006年トリノ冬季五輪男子金メダリスト、エフゲニー・プルシェンコはタス通信に「イシンバエワが出ないなら(五輪は)空虚なものになる。国家レベルで擁護すべきだ」と発言。欠場は「巨大な損失だ」と訴えた。