<東アジア杯:日本1-2北朝鮮>◇2日◇中国・武漢

 ハリルホジッチ監督は、完全に墓穴を掘った。1点リードの後半。得点が欲しい北朝鮮は、背の高い選手めがけてロングボールを蹴ってくるのは分かりきっていたはず。それなのに、ボランチ(守備的MF)を1枚削ったシステムに変えてしまった。ロングボールのこぼれ球をしっかり拾うには、2人のボランチが必要。結果、センターバックに負担がかかり、ボディーブローのように効いて、足が止まった。

 2失点ともシステム変更してから。特に2失点目はDF槙野が競り負けたように見えるが、ボランチを減らした分、彼には相当、負担がかかっていた。監督はフィジカル的な問題を敗因にしていたが、私はそうではないと思う。バランスの取れたシステムで戦っていれば、選手の疲労が目に見えることも、競り負けることもなかったはずだ。

 FW浅野を送り出す際も、興奮しているように見えた。たとえ流れが悪くても、監督たるもの冷静に指示を出さなければ、選手には伝わらないだろう。

 選手は暑さの中で全力を尽くした。一番のミスはシステム変更。あれで日本の持ち味が半減してしまった。(日刊スポーツ評論家)