日本代表DF長友佑都(28=インテル・ミラノ)が、燃え尽き症候群を乗り越えて、アジア杯連覇に挑む。

 23日にイタリアから帰国。その後都内で、体幹トレーニング著書「長友佑都

 体幹トレーニング20」と、来年1月発売の第2弾「長友佑都

 体幹×チューブトレーニング」のPRイベントに臨んだ。

 チューブを使った体幹トレーニングを実演する一方、ファンからの質問を受けながらのトークでは、メンタル面の重要性にも言及。「W杯後には、サッカーが楽しくないという時期もあった」と明かした。

 イベント終了後の囲み取材では、人生初という「燃え尽き症候群」について振り返った。

 長友

 W杯では、あれだけのエネルギーをそそいで、サッカー人生をかけてやるという初めての経験をした。その分、終わった後に燃え尽きた部分はあったのかなと。目標や夢が見えてこなくなったのは初めて。こういう自分もいるんだなと、ある意味発見だった。

 ケガや体調不良もあって、モチベーションが上がらない時期は続いた。セカンドキャリアを意識する時期すらあったという。しかし、試合に出られない時期に、自分を見つめ直すことができ、復活の糸口をつかんだという。

 長友

 時間が解決する部分が大きかった。何かを読んだり、誰かの言葉を受けてというより、自分の中で答えが出た感じ。サッカー選手である長友佑都を、自分の中で意識しすぎていた。弱い、1人の人間である長友佑都ではなく。思えば、自分と戦うことが多かった。それはもったいないことだった。

 人生初の経験をへて「今はサッカーも、走ることも楽しい」と言う。「今はとにかく楽しみたい。予選があるとか、アジア杯があるとか。しなければならないでここまできた。でもそれには限界がある。サッカー自体を純粋に楽しみたい」。

 前回11年のアジア杯では、無尽蔵のスタミナを武器にMVP級の活躍をみせ、チームを優勝に導いた。その時とはまったく違う競技との向き合い方で、長友が再びアジアの頂点を目指した戦いに臨む。