岡ちゃんが珍トレーニングを連発した。日本代表候補は29日、千葉県内で合宿2日目の練習を行った。岡田武史監督(51)は、プロでは珍しいスローインからシュートまで持ち込むパターンを繰り返させたほか、最後は円陣で肩を組ませてジャンプのタイミングを合わせる謎のメニューで終了。狙いについては明言しなかったが、9月6日のW杯アジア最終予選初戦バーレーン戦で、効果が出るかも!?

 クールダウンのランニング後に、珍妙なメニューが待ち受けていた。岡田監督がニヤリと笑いながら選手を集め、円陣をつくらせ肩を組ませる。1人に「ニッポン、オウ!」と声を掛けさせ、「オウ」の部分で全員が同時にジャンプ。岡田監督は中腰で選手の足元を見つめていた。「はい、もう1回!」。その姿は、まるでラインダンスの足のそろい方にダメ出しする演出家。3度目の着地でようやくご満悦の表情を見せ、練習を終わらせた。

 「気まぐれだよ。(今後も行うかは)分からないね」ととぼけたが、事前のスタッフ会議でも「円陣ジャンプ」を行うことを伝えていた。ただ、理由を尋ねたスタッフには「余計なことは聞くな」とけむに巻いたという。心を1つにして、結束を高める狙いなのか。今後、日本代表の“恒例儀式”になるかもしれない。

 練習の内容も珍妙だった。敵陣深い位置でのスローインから、パス3~4本でシュートに持ち込む練習を繰り返させた。プロではスローインを起点にした練習は極めて珍しい。岡田ジャパンでも、もちろん初。「高校生みたいな練習をやるけど、早くしっかりシュートまで持って行け」と声を掛けた。岡田ジャパン初招集のMF柏木は「ユースではやったことあるけど、プロになってからは初めてかな」と新鮮そうに振り返った。

 岡田監督は「気分転換だよ」と笑い飛ばしたが、9月から始まる最終予選では全員が足並みをそろえ、スローインもチャンスに変えて、戦うということか…。この日の珍トレが効果を発揮するかもしれない。【北村泰彦】