<アジア杯予選:バーレーン1-0日本>◇28日(日本時間29日)◇1次リーグ◇A組◇マナマ【マナマ(バーレーン)28日=井上真、北村泰彦】岡田ジャパンが痛恨の敗戦を喫した。欧州組2人を加えてバーレーン戦に臨んだが、前半23分にセットプレーから先制点を許し、苦しい展開を強いられた。後半は前線からの守備でボール奪取し、速攻でゴールを狙ったが、攻撃の形をつくることができずに無得点。W杯最終予選でも同組の宿敵に0-1で完敗した。2月11日に控えるW杯最終予選のオーストラリア戦(日産)に向け、大きな不安を残した。日本代表は29日、帰国する。

 日本が序盤でリードを許した。バーレーンは前半23分、右FKからMFイサがヘディングシュート。その弾道は無情にもGK川島の頭上を越え、そのまま日本ゴールに入ってしまった。まるで昨年3月26日W杯3次予選となるバーレーン戦(0-1)の悪夢を思わせる失点。スタンドのバーレーンのサポーターも一気に盛り上がらせてしまう嫌な試合展開だった。

 敵のキックオフで始まった前半、日本の2トップが積極的にボールを奪いにいった。スタメンの玉田、田中が敵DF陣に迫った。同9分には右MFに入った岡崎が激しいチャージを受けて倒れるなど厳しい戦いが続いた。右サイドバック内田の背後を突かれ、次々とゴール前にクロスを挙げられるシーンばかり。同17分にもペナルティーエリア付近からシュートを許した。バーレーンに主導権を握られ、苦しい時間帯を耐えるしかなかった。

 乾燥したマナマの気候の影響で、稲本ら運動量の多いMF陣がすぐに給水していた。負傷したGK川口の代わりに2戦連続でスタメンに入ったGK川島が決死の表情で大声を張り上げてDF陣に指示を送ったが、敵サポーターの声援に遮られて届かない様子。アウェーの環境に苦しめられた。

 27日の前日会見で岡田監督は必勝を口にした。「(2月11日W杯最終予選)オーストラリア戦へ向けて、いい準備をしたい。このアジア杯予選は絶対に勝たなければいけない戦いと思っている。バーレーン戦へ向けて全力を尽くしたい」と宣言した。指揮官の意気込みが伝わったように、スタンドには岡田監督フラッグに加え、「2・11を意識して共に闘おう!!」との横断幕が張られた。絶対に負けられない試合だが、岡田ジャパンにとって劣勢の時間帯が続いた。

 負けられない日本は後半開始と同時に激しいプレスをかけてボールを奪い、速攻を仕掛けた。同2分、左CKからDF中沢がヘッドで狙ったが、相手GKに両手ではじかれた。首痛を抱えながら出場した玉田もボール奪取に走ったが、なかなかチャンスをつかめない。同17分には敵の直接FKからゴールを脅かされた。

 同18分には本田に代わって香川が交代出場。同30分に興梠、同36分には巻も入って局面打開を図ったが、攻撃の形は最後まで見えなかった。岡田監督は交代選手をねぎらう余裕なく、厳しい表情で立ったままで戦況を見つめるしかなかった。欧州組は稲本、本田の2人のみ。DF闘莉王、MF遠藤ら主力選手がピッチにいなかったとは言え、不完全燃焼の黒星だった。

 攻守に大きな課題を残したまま、岡田ジャパンはW杯最終予選の大一番、オーストラリア戦を迎える。