<サッカー女子U17W杯:日本2-1北朝鮮>◇21日◇準決勝◇トリニダード・トバゴ

 日本が初優勝に王手をかけた。連覇を狙う北朝鮮に先制されたが、後半24分にDF高木ひかり(17=常葉学園橘)のヘッドで同点。直後の同25分にFW横山久美(17=十文字)が5人抜きゴールを決めて、2-1と逆転勝ちした。日本女子が国際サッカー連盟(FIFA)主催の世界大会で決勝に進出するのは初。男女を通じて史上初の世界一を目指して、リトルなでしこは25日(日本時間26日)、韓国と対戦する。

 北朝鮮選手の壁を、横山が楽々と突き崩した。後半25分、密集の中でドリブルを始めると、北朝鮮の赤いユニホームが棒立ちになった。最初に当たってきた2人を右にかわすと、後方、左、右から来る相手の逆を次々ととる。追いすがる相手選手を尻目に、GKと1対1になるとゴール左スミへシュート。逆転でベンチはお祭り騒ぎになった。

 「自分でいくしかないと思った。自信はあったし、冷静だった」と横山は振り返った。1次リーグ初戦のスペイン戦から全5試合で6ゴール。この日は途中出場での得点だったが「出番が来ると思っていたので、準備はできていた」と平然と言ってのけた。「ここまで来たら、決勝でもゴールを決めたい。絶対に優勝したい」と力を込めた。

 吉田弘監督も「最初から決勝に行くつもりだった」と強気に言った。初戦でスペインに1-4と敗れたが、そのスペインは準決勝で韓国を相手に一方的に攻めながら敗退。ドイツやブラジルなど優勝候補が次々と敗れ去り、決勝はこの大会の予選で0-1と惜敗した韓国との隣国対決になった。「勝つだけではなく、素晴らしいと感じてもらえるサッカーをしたい」と、吉田監督も世界一に照準を合わせて言った。