日本協会は17日、紆余(うよ)曲折の末に日本代表の南米選手権(7月、アルゼンチン)の辞退を決定した。小倉純二会長(72)と原博実強化担当技術委員長(52)が会見を開き、発表した。東日本大震災の影響でJ1が本来中断期間の7月に行われることになり、4月上旬に南米連盟などに1度は辞退を通達したが、異例の差し戻し。その後、海外組中心の構成での出場を目指したが、海外クラブの多くが招集に応じず、この日早朝に辞退を決めた。同選手権辞退により、9月に始まるW杯アジア3次予選に向けた準備期間が極端に短くなってしまった。

 日本協会が出した結論は結局、予想通りの「辞退」だった。16日までにザッケローニ監督が招集を希望した海外組15人の所属する半数以上のクラブが招集を拒否。Jリーグと合意した「海外組がチームの過半数以上を占める」という約束が果たせなくなり、この日午前4時に小倉会長が辞退を決断。同7時前に南米連盟などにレターで通達した。

 東日本大震災の影響で7月にJ1が組み込まれたことで、南米選手権に国内組中心で臨む当初の計画が崩れた。招待参加のため海外組招集の拘束力もないことから、4月上旬に小倉会長が辞退を通達するために南米連盟とアルゼンチン協会を訪問。だが、同協会のグロンドーナ会長から「招集問題について南米が国際連盟や欧州各クラブに働きかける」との確約を受け、判断を一転。海外組中心でメンバーを構成する方向で南米連盟などの協力のもと再度動いたが、たどり着いた結論は再び辞退だった。

 当初は南米連盟が国際連盟(FIFA)に呼びかけて招集に強制力を持たせる趣旨の約束があった。だが、小倉会長は「FIFAが積極的に動けなかったのは事実。グロンドーナもそこは予想と違ったのでは」と振り返った。南米連盟などが欧州クラブに招集協力のレターを送り、原委員長がクラブを訪問したが「招待参加は拘束力なし」という規則のもと、欧州各クラブの多くが招集を拒否した。

 結局、南米選手権辞退が決まったことで、9月2日から始まる肝心要のW杯アジア3次予選に向けた強化に弊害が出る。キリン杯2試合(6月1日・ペルー戦、同7日・チェコ戦)と10日前後の合宿、そして8月10日の親善試合韓国戦以外に代表が集まる機会はない。原委員長も「海外組はキリン杯後休んで、7月は自分のクラブで、国内組はJリーグで頑張ってもらうのが一番の強化。代表として集まれないのはザッケローニ監督も分かっている」と話した。日本サッカー界を騒がしたドタバタは、代表強化にも大きな影響を残すこととなった。【菅家大輔】