<国際親善試合:日本0-0ペルー>◇1日◇東北電ス
日本代表アルベルト・ザッケローニ監督(58)が、不完全燃焼で大事な1試合を消耗した。南米選手権(7月)辞退により、W杯ブラジル大会アジア予選(9月)までは3試合しか残っていなかったが、そのうちの1試合を収穫なしに0-0で終えた。前半3-4-3を試したが結局、5バックになる始末。後半開始から4-2-3-1と、システムを変えながら可能性を探ったが、FIFAランク54位のペルーを相手に同14位の日本は決定機を作れなかった。レギュラーが全員そろう7日のチェコ戦でも結果が出ないなら「ザック流カメレオン戦法」は、あきらめるしかない。
3バックの期待は、指揮官の様子に如実に表れていた。前半開始直後から、テクニカルエリア最前線で、ザッケローニ監督が大声を張り上げる。初めてスタートから3-4-3を試した前半、司令官はイライラを募らせるように、タッチライン真横に立ち、大きなジェスチャーで指示を出した。同14分、パスミスした選手を叱責(しっせき)する場面もあった。4-2-3-1に変更した後半開始からは、10歩以上も下がり、ベンチ前で腕を組み、戦況を眺めるだけ。それほど3バックにかける思いは大きかった。
3バックは、同監督の生命線でもある。カメレオンのように瞬時に色を変え、相手を迷わせる。「私の戦闘服」とまで言い切るシステムだが、前半45分間、相手に脅威を与えることはできなかった。失点はなかったものの、決定機を作れないようでは、結局勝つことはできない。
ザッケローニ監督
前半よりは後半の方が機能していた。W杯予選まで3試合しかないので、その中でいろいろ試さないといけない。3バックは2日しか練習できなかったし、3人が1日前に到着するなど、いい状態ではなかった。その中で今日は3-4-3を試したいと思っていたけれど、私がほしかったなという情報を収集することはできなかった。
3トップを最前線に配置し、より攻撃的なはずの3-4-3が守備的になってしまった。相手の攻撃時に失点を恐れ、両サイドのMFが下がって守備ラインに吸収されてしまった。DF栗原は「後ろが重くなった。5バックになってしまった」と反省。DF伊野波も「攻撃されたサイドの選手が前にアタックしないといけないので下がってしまっては…」と表情を曇らせた。結局、守備の負担が大きく、ザックジャパン発足以来、最少のシュート5本に終わった。
日本協会が、南米選手権を辞退したことで、W杯予選までの大事な実戦を3試合以上なくした。しかも南米相手に真剣勝負できる最高の実戦の場を放棄したことは、あまりにも痛い。同監督は「3バックをチェコ戦でまた試すのは、みんなリスクを背負いすぎると思うかもしれない。でもチームの引き出しを増やすことは私の仕事です。まだ決めてない」。南米選手権を辞退した現状で、ペルー戦でできなかったことを、大事な1試合でさらに使うのは、リスクが大きい。
結局0-0で引き分け、日本代表として13試合負けなしの新記録は達成した。記録は残したものの、収穫がないことで、手放しで喜べない。「できれば勝ちたかった」と、記録を残した監督としては言葉に力がなかった。W杯予選まで、残る実戦は2試合。もう無駄遣いはできない。【盧載鎭】

