<W杯アジア最終予選:日本1-0イラク>◇B組◇11日◇アルアラビ・スタジアム
指揮官の絶叫がピッチに響いた。パスのずれにも厳しく反応した。W杯まで残り1年。コンフェデ杯も控えている。1試合すら無駄にできない-。アルベルト・ザッケローニ監督(60)は「(3月の)ヨルダン戦で足をすくわれた。全力を出さないと勝てない」という言葉通り、消化試合でも勝利を追求した。
W杯出場を決めた4日のオーストラリア戦から先発を5人変更した。「コンフェデ杯後は全員がスタート地点に戻り、ゼロから再び競争が始まる」。W杯本大会で上位に食い込むためには、チーム力の底上げが必要不可欠。選手たちには強い競争意識を求めた。
ドーハ合宿に入り、選手に対して強調した言葉がある。「レベルアップするため、勝ち癖をつけないといけない」。W杯3次予選で突破決定後に2連敗。ヨルダン戦でもまさかの黒星を喫した。一瞬のスキを突かれて敗れる「悪癖」を払拭(ふっしょく)するためにも、結果にこだわった。
直後のコンフェデ杯でブラジル、イタリア、メキシコという世界基準の強豪国との戦いに備え、守備陣の再整備にも取りかかった。カウンターやセットプレーの守備という課題を繰り返し確認。イラク戦の勝利とコンフェデ杯での躍進のために準備を進めてきた。
ザッケローニ監督は終盤、ベンチ前で露骨に怒りをあらわにするシーンが増えた。中東ならではの環境にも苦しめられたが、岡崎のゴールの瞬間はガッツポーズで喜びを表現。「選手には勝ちに慣れろと言っていた。グループリーグでの圧倒的な力を見せられて、有終の美を飾れて良かったと思う」と笑顔を見せた。勝ち癖をつけるために必要不可欠だった結果を、敵地でつかんでみせた。

