【マスカット(オマーン)7日=木下淳】16年リオデジャネイロ五輪を目指すU-21(21歳以下)日本代表の手倉森誠監督(46)が、オマーン遠征中に非公開練習を行わない方針を示した。完全公開していた仙台時代のポリシーを貫く。A代表のザッケローニ監督も、ロンドン五輪の関塚監督も、北京五輪の反町監督も大半は非公開だったが、手倉森監督は「その予定は今のところない」と断言した。

 特別なことをしてリズムを崩すことを嫌う。仙台では紅白戦もセットプレーも公開。昨季のACLブリラム(タイ)戦の前日は冒頭15分だけ見せたが、大会規定を勘違いし「非公開が普通だと思った。公開しなくて後悔」と笑い飛ばした。

 戦術漏れのリスクを承知した上で、仙台を包み隠さずにJ1準優勝とACL出場まで導いた自負がある。「自分の仕事は2つ。五輪で結果を出すこととA代表に人材を送り込むこと」と言い、目先の勝利より普段通りの指導を優先させる。

 午後練習では、就任後初の技術指導を行った。伝えたコンセプトは「いい守備から、いい攻撃」。仙台時代の堅守速攻を代表でも基本線とすることを選手に示し、ボールの奪い方など、まず守備から伝授。1対1の対人練習で締めた。11日開幕のU-22アジア選手権で全23選手を起用する考えも明かし「全員に手応えをつかませたい」と話した。