浦和DF田中マルクス闘莉王(27)が、不振にあえぐチームを決勝の舞台に導く。22日のG大阪とのアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)準決勝第2戦で、超攻撃サッカーで勝つことを誓った。チームはアウェーでの第1戦(8日)を1-1で終え、勝てば決勝進出が決まるが、最近の公式戦5戦を2敗3分けで白星なし。これまで何度も窮地に立たされながら、チームを救い続けてきた「土壇場男」が、決勝進出に本領発揮する。

 「土壇場男」がついに本領発揮する。闘莉王は「逆風でどれだけやれるか。プレッシャーがある中でやることは大好き。逆に力にして、決勝の舞台に立ちたい」と、重圧を楽しむかのように、前向きに話した。

 18日のリーグ戦で神戸に0-1で敗れ、失望したファンの罵声(ばせい)が悔しくて涙を流した。19日には、エンゲルス監督を中傷する横断幕を持って練習場に押しかけたサポーターらに、直接協力を訴えていた。MF相馬、細貝、GK都築を累積出場停止で欠くなど「いろいろな問題は確かにある」と、しながらも逆風を力にする覚悟だ。

 チームを救い続けた自負はある。アルカディシア(クウェート)との準々決勝第1戦では試合終了まで残り6分で1-3と突き放され、DF堀之内が退場処分を受けて1人欠いた状況でも、「点を取りに行こう!

 ツボ(DF坪井)と2バックで守るぞ!」と仲間にハッパをかけた。その攻撃思考が功を奏して、自らのアシストで貴重なアウェーでの2点目をあげ、第2戦につなげた。

 右太もも裏とひざ、左足首に故障を抱え、アウェーでの第1戦は先発を回避して残り5分の出場だった。無失点に抑えれば決勝進出が決定するが、それでも闘将は「おれの予想は0-0では終わらない。絶対に守ってはいけない。1つでも多く。4点取られたら5点取る」。超攻撃的思考で道を切り開くつもりだ。【栗田成芳】