視覚障害者らがプレーする「ブラインドサッカー」日本代表が20日、東京・八王子市で強化合宿を行った。

 午前は、日本代表の課題とされるコーナーキックなどからの攻撃、午後は実戦形式の守備練習をした。7月27日からのスペイン遠征、9月に都内で開催される、16年リオデジャネイロ・パラリンピックの出場権を懸けた「アジア選手権」を控えていることもあり、各選手がげきを飛ばした。FP落合啓士(37=buen cambio yokohama)は「アジアのチームで勝てないチームはない。実力の差がないからこそ気持ちが大切。もっと意識を高く集中しないと、4年間が無駄になる」と気を引き締めた。アジア選手権では、上位2チームがリオの出場権を獲得し、日本はパラ初出場を目指している。

 日本代表は昨年11月、12カ国が参加した「世界選手権」では過去最高の6位だった。目標としていた「ベスト4」には届かなかったが、6試合で2勝4分けと奮闘した。落合は「守備力は証明できたかもしれないが、ラインを1~2メートル上げて、高い位置からプレスをかけて攻撃の回数を増やすことが必要だった。アジア選手権までの約3カ月で、その課題をどれだけクリア出来るかがポイントになると思う」と語った。

 ブラインドサッカーは、1980年代に欧州や南米で始まり、視覚障害者と健常者でプレーする5人制サッカー。視力に応じて2クラスあり、全盲クラスは鈴入りのボールを使用し、GK以外の選手がアイマスクを着ける。危険な接触防止のため、ボールを持つ相手にスペイン語で「行くぞ」を意味する「ボイ!!」と声をかけて近づく。監督とゴール裏でガイド役の「コーラー」が指示を送り、音と声のコミュニケーションが重要とされる。国内の競技人口は約400人。世界的には04年のアテネ・パラリンピック大会から3連覇中のブラジルが強い。