広島の20歳FW浅野拓磨が、驚異のスピードで山形にとどめをさした。2-1の後半34分、相手CKをDFがクリアしたこぼれ球を拾うと、敵陣に向けドリブル開始。「セカンドタッチでうまくボールを前に出せたので、自分のスピードが生かせる形がつくれた」。ファーストタッチから9秒。約75メートルを一気に駆け上がり、最後は右足で山形GK山岸の股間を抜いた。

 相手のPKをGK林が止めた直後のカウンターだけに、相手に与えるダメージも大きかった。それでも浅野は「止めてくれた林さん。一緒に攻め上がって相手を引きつけてくれた柏さん。みんなのゴールです」と周囲を立てた。

 来年1月の五輪予選の組み合わせを聞くと「北朝鮮も力がある。タイとは遠征で対戦して、自分が決定機を逃して苦戦した」と表情を引き締めた。「まずはチームでいい状態を保つこと。五輪ありきで考えるということはありません」と話すが、並外れたスピードは日本の武器になりそうだ。