浦和が今季リーグ戦残り5試合で連勝を重ね、乾杯のため飲食店を訪れるサポーターに「とりあえずビール」をもたらす。

 クラブは28日、スポンサーのキリンビールマーケティング株式会社埼玉支社と、飲食店情報サイトのぐるなびとのコラボ企画として「ぐるなび&レッズ 乾杯サポーター店」を募ったことを発表した。

 参加店は10月から、浦和が試合で勝った当日に来店したサポーターに「キリン一番搾り」1杯を無料提供するなどのサービスを準備する。JR浦和駅前を中心に、すでに100店舗以上が賛同。店頭にポスターを掲出したり、ぐるなびに店舗情報を掲載する。

 浦和はかつて浦和駒場スタジアムでホーム戦を開催。試合終了後は、多くのサポーターが最寄りのJR浦和駅周辺の飲食店を訪れる、という流れができていた。これが地域経済の活性化にもつながっていたが、現在はもともとの市街地から離れた、埼玉スタジアムでホーム戦が行われるようになった。

 サポーターも現地解散や、最寄りの浦和美園駅から埼玉高速鉄道などで、直接都内に向かってしまうことなどが多くなった。クラブは、もう一度、地域経済の活性化に一役買える方法はないかと、方策を模索。その中の1つとして、今回の「乾杯企画」が実現した。

 今季浦和では、第1ステージ終盤、新加入のMF武藤がブレーク。同時に「武藤がゴールを挙げたら、サポーターはすしを食べて祝う」という習慣が広まった。これにより、さいたま市内のスーパーのすしが飛ぶように売れるという“経済効果”がもたらされた。

 サッカーには街に人を導く力があることが、あらためて証明された形だ。10月以降はキックオフ時刻が、夏場の19時前後から15時前後に早まることもある。試合終了後、終電を気にしていたサポーターも、これからの季節は「街で一杯やってから」という時間的な余裕もできる。

 埼玉スタジアムで味わった歓喜そのままに、街に出て乾杯を-。スタジアムと繁華街をつなぐ企画の成功のためにも、チームは連勝を重ね、悲願の年間勝ち点1位を目指す。【塩畑大輔】