94~96年に鹿島で活躍し、W杯で優勝と準優勝を1度ずつ経験した元ブラジル代表MFのレオナルド氏(46)が12日、都内ホテルでトークショーを行った。

 10年10月以来5年ぶりの来日で、社会的困難な子供を救うため98年に設立した「レオナルド基金」の活動を紹介。「がん撲滅の会」の田淵正文理事長と会見した後、元日本代表監督ジーコ氏の通訳で親交が深い鈴木国弘氏もまじえて、約2時間も語った。

 日本代表監督からオファーが来たら? と聞かれると「好きな日本、縁がある日本だから、何か起こるかもしれないし、起こらないかもしれない」と笑顔。セリエAのインテルミラノ監督時代にチェゼーナからDF長友佑都を獲得した時の裏話も披露し「日本の午前3時にスズキ(鈴木通訳)に電話して、日本語で本人と話してもらった。移籍が決まったのは期限の3分前だったよ」と振り返った。

 レオナルド氏は鹿島退団後、パリサンジェルマン(フランス)やACミラン(セリエA)でプレー。引退後はACミランの監督も務めた。13年夏にパリサンジェルマンのスポーツディレクターを退任した後は、どのクラブにも籍を置いていなかったが「膵臓(すいぞう)と肝臓、胃にがんが見つかった母親の看病もあって、サッカーから離れていた」と説明。「手術の成功確率が20%、生存確率が数%という状況から生還したんです」と明かした。

 来日中はJリーグを表敬訪問、17日のJ1リーグ鹿島-柏戦(カシマ)も観戦する予定。「20年前にプレーし、大好きな日本にまた来ることができて本当にうれしい。日本にいるだけで充電というか、パワーをもらえる。うどんが大好きで、日本にいたころは『ウドン、フロ(風呂)、シアイ(試合)』の毎日だった」とも笑わせた。滞在予定は1週間。14日に岡山県、17日に茨城県鹿嶋市でもトークショーを行う。