今季限りでの引退を表明しているINAC神戸MF澤穂希(37)がフル出場し、決勝進出を決めた。

 負ければ終わりの重圧の中でも、澤は攻守に奮闘した。ボランチとして守備ではヘディングや、強烈なスライディングで相手の攻撃を封じた。前半36分には仙台MF川村優理(26)に右足ミドルを放たれたが、GK海堀あゆみ(29)が好セーブを見せた。

 攻撃では同39分、澤の縦パスを起点にCKに奪うと、MF川澄奈穂美(30)の右CKをFW高瀬愛実(25)が頭で競り勝ち、最後はFW大野忍(31)がヘディングシュートを決めて先制。澤も飛びはねながらガッツポーズを繰り返し、歓喜の輪に加わった。

 後半16分にも、川澄のパスに抜け出したDF近賀ゆかり(31)が右からグラウンダーのクロスを送ると、MF中島依美(25)が右足で合わせて2点目。2-0と、皇后杯4戦連続完封勝ちで、27日の決勝(午後2時開始、等々力)進出を決めた。大きな澤のラストマッチの舞台を、チーム一丸となって勝ち取った。

 澤は「絶対勝って決勝に進みたいという気持ちで臨んだ。最後勝ってみんなで笑顔で終われたらいい。みんなが本当にたくましくて決勝に連れてってくれました。ありがとうございます」と話した。