新潟が執念で勝ち点1をもぎ取った。1-2の後半ロスタイム、DF大野和成(26)の今季初得点で柏に追いついた。前半9分にFW田中達也(33)のゴールで先制したが、後半2点を奪われ逆転された。押され気味の展開の中、土壇場同点ゴールが飛び出し連敗を2で止め、ホーム今季初の勝ち点を挙げた。
ゴール裏の新潟サポーターから大歓声が起きた。歓喜の中心に大野がいた。
後半、ロスタイムの表示は5分。そのうち4分7秒を使って生まれた同点劇は、FW平松宗(23)のシュートのこぼれ球を大野が頭で押し込んだもの。「時間もなかったので前線に上がっていた。上がったからには決めたかった」。13年に期限付き移籍していた湘南で3得点したが、新潟ではこれが初得点。連敗を止め、ホームでの今季初勝ち点を呼び込んだ。
新潟の最後まで諦めない姿勢が、大野のゴールに集約されていた。起点になった右サイドから途中出場のMF酒井宣福(23)がセンタリングを入れると、この試合がJ1初スタメンの6年目、DF増田繁人(23)がヘディング。そのボールがそれたところに、途中出場の平松が走り込んだ。
同点ゴールに絡んだ選手は、開幕からスタメンの大野以外は伏兵ばかり。「前節(横浜戦)で途中出場したときには何もできなかった。今回は仕事をしなければならないと思った」。酒井が言うように、出場機会に飢えていたメンバーの貪欲さがチームを救った。
土台にはチーム一丸の雰囲気があった。相手の柏は吉田達磨監督(41)が昨季監督を務めたチーム。試合前の円陣で、MF小林裕紀主将(27)が言った。「タツさんのためにもみんなで勝とう」。目指した結果は得られなかったが、思いは指揮官に届いた。「最後に同点にした彼らを誇りに思う」。吉田監督の言葉は熱気にあふれていた。【斎藤慎一郎】



