J2清水はアウェーで千葉との激闘を4-3で制した。前半19分、FW鄭大世(32)が先制。同27分には、DF川口尚紀(22)のJリーグ初得点で相手を突き放したが、その後、3失点して逆転された。しかも川口が退場になり、10人になったが、後半45分にオウンゴールで同点に追いつき、ロスタイムに再び鄭がゴール。劇的逆転で貴重な勝ち点3をもぎとった。チームは7位から6位に浮上した。

 試合終了の笛が響くと、ベンチから選手が飛び出し、鄭の周りに歓喜の輪ができた。3-3で迎えたロスタイム、FW北川航也(19)のクロスが相手DFにはじかれた。すかさずこぼれ球を拾った鄭が、右足でゴール右隅に決めた。今季11点目が決勝点。2ケタ得点は、川崎Fに在籍していた09年以来7季ぶりだ。小林伸二監督(55)は「こんなゲームは今まで経験したことがない。最後まで諦めないで、勝ち点3が取れた」と興奮気味に話した。

 前半19分には、MF石毛秀樹(21)のドリブル突破から、こぼれ球を鄭が頭で押し込んで先制した。同27分には、川口が右足を振り抜いて追加点を挙げた。プロ4年目でのJ初得点を満面の笑みで喜んだ。だが、2-2で迎えた後半34分、スライディングをした足の裏が相手の足に入ってしまい、川口が1発退場。その後、逆転を許したが、誰も諦めていなかった。

 攻め続けて迎えた同45分、北川のクロスが相手のオウンゴールを誘い同点に。そして、鄭の劇的逆転弾が生まれ、2試合ぶりの勝利を手にした。主将のFW大前元紀(26)、副主将のDF犬飼智也(23)らまとめ役が不在の窮地で、大きなものをつかんだ。【保坂恭子】