磐田はホームで柏と対戦し、1-2で逆転負けした。前半23分、エースFWジェイ(34)のヘディング弾で先制したが、柏の強力な攻撃陣を抑えきれず2失点した。今季3試合目の逆転負けで、第2ステージ6節を終えて勝ち星なし。J1通算350勝も持ち越しとなった。

 赤く染まったヤマハスタジアムが一気に湧いた。前半23分、FWジェイが倒されてゴール前右サイドでFKを獲得。DF中村太亮(27)のクロスにジェイが頭で合わせ、ゴール左に決めた。エースの2試合ぶりとなる今季9点目で先制した。同19分、ジェイはペナルティーエリア内で倒され、PKを獲得した。自ら蹴ったが、柏GK桐畑にセーブされ、Jリーグで初めてPK失敗。それでもショックを引きずらなかった。

 「真夏の大決戦」と題し、磐田が初めて赤色のユニホームを着用して臨んだこの日、名波浩監督(43)の作戦が見事にはまった。マンツーマンではなく、ゾーンディフェンスで守る柏に対し、「チャンスがある。うまくいけば取れる」と分析。本来は試合前日にするセットプレーの練習を、試合2日前に時間をかけて行った。位置を変えて何度も攻撃練習を入念に行い、空中戦に強いジェイをターゲットにする作戦を立てていた。

 ハーフタイムに名波監督は「勝ち点3に執着して戦うこと」と指示を出した。だが、後半13分に左クロスをGK志村滉(20)がキャッチできず、こぼれ球を押し込まれて同点とされた。続けて同26分にも失点。リードを守り切ることができなかった。同38分には、ベンチに退いていたジェイがピッチにペットボトルを投げ込み、警告を受ける場面もあった。その後も追加点を奪えず、悪い流れを断ち切れなかった。4試合連続引き分け後の痛い敗戦。J1残留を目標に掲げた「勝ち点40」への足踏みが続いている。【保坂恭子】