鹿島は30日、茨城・鹿嶋市内で臨時役員会を開き、心労による体調不良で退任の可能性があった石井正忠監督(49)の続投を承認した。石井監督は5日ぶりに練習場に姿を見せ、ファンが「石井アントラーズ」の横断幕を掲げる中、険しい表情でチームを見守った。

 26日の練習前に「監督を続けられない」と辞意を示した。指揮官は「選手の間で口論が多発し、一体感がなくなったことに責任を感じ、精神的ダメージを受けた」と説明。選手、コーチ時代を含め「鹿島24年目で初めてクラブハウスに来ることが怖くなった。寝られなかった」とも明かした。

 直近の問題で、心労の一因とファンが最も心配していた20日湘南戦でのFW金崎との口論には「ほとんど(原因では)ないです」と断言。この日、金崎は不在だったが、風邪と高熱のため。湘南戦翌日に謝罪を受け入れており「(金崎)夢生とは話をし、整理できている」と臆測を否定した。

 27日のリーグ横浜戦は大岩コーチが監督を代行。石井監督は9月3日の天皇杯2回戦から復帰する。休養中はクラブOBから「諦めるな。逃げるな」と励まされ、「許されるのであれば指揮を執りたい」と志願。これまで選手の自主性を引き出す指導法だったが「リーダーとして先頭に立つ」と覚悟を決めた。【木下淳】