<練習試合:千葉1-0甲府>◇1日◇小瀬スポーツ公園陸上競技場

 頼れる主砲が帰ってきた。練習試合甲府戦の後半13分、巻は左クロスに迷わず頭から飛び込んだ。「イメージどおりのボール。結果が出せてよかった」。ぎりぎりのタイミングで、体を投げ出して届くヘディング弾。真骨頂のゴールで、完全復活をアピールした。

 「攻めて、戻って、攻めてと続くと、さすがにまだ息が切れました」と振り返る表情にも明るさが戻った。日本代表では、1月30日のボスニア・ヘルツェゴビナ戦で肋骨(ろっこつ)を骨折。2月6日タイ戦では得点も決めたが、直後から長期離脱していた。まだ骨折個所が完治してはいないが「ケガの心配はない。接触プレーも怖くない」と言い切る。

 チームからは代表クラス5人が移籍した。巻は「だからこそ、自分は新しいチームの船出に立ち会わないと。開幕戦に出られないと、残留した意味がない」と話してきた。早速のゴールで、J開幕へ自らゴーサインを出した。この日は日本代表の大木コーチも観戦。26日にW杯予選バーレーン戦に臨む岡田監督にも、朗報が届くことになった。