J1磐田のFW中山雅史(40)が、16日のナビスコ杯東京戦(味スタ、午後7時半開始予定)で今季初先発することが確実になった。ゴンの先発は、昨季11月18日の川崎F戦以来。闘志不足のチームに前線から、気迫を注入する。東京V(日本平、午後7時開始予定)と対戦する清水は、ぎっくり腰で12日のリーグ名古屋戦を欠場していたGK西部洋平(27)が先発復帰する見込みだ。

 中山は、静かに燃えていた。最後に攻撃陣で行ったシュート練習。際どい弾道が、GK川口に横っ跳びではじかれた。だが、普段と違って悔しさを押し出した雄たけびはない。今季初先発を前に鬼気迫る表情で、ただ黙々と打ち込んだ。「嫌な雰囲気を振り払いたい。札幌戦では、動きだしがなかったことはハッキリしているのだから、その逆をすればいい。自分の特長を出していく」と力を込めた。

 勝つために得点が、得点のためにはシュートが必要。その意識は誰より高い。今季の出場時間はリーグ戦で計18分(4試合)、ナビスコ杯で16分(1試合)と多くはない。だが、その34分間でシュートを4本放ち1得点。チーム最多3得点のFWジウシーニョが約36分間で1本の割合の中、抜きんでる。「(G大阪戦の得点は)かなり前の試合。フレッシュな気持ちで行きたい。(連戦の)疲れを軽減するのは結果であり内容。ここでチームの(悪い)波を戻せれば」。ゴンゴールが、その特効薬になる。

 DFラインに鈴木と田中が入り、右足首痛のMF西も復帰する。現在3位のナビスコ杯で、2位東京との対戦。何より公式戦3連敗は、是が非でも避けたいところ。「出ている者は、それなりのモノを背負って戦わないといけない。危機感を感じ、向上心を持ちながら、チームのためにできればと思う」。背番号9が、闘志を植え付ける。【今村健人】