<J1:磐田2-0京都>◇第9節◇29日◇ヤマハ
左ライン際でボールを受けた磐田MF上田康太(21)の体は、正面を向いていた。前方には、FWジウシーニョの走る姿が見えた。だが「ジウはオフサイドだった」と、得意の左足が選んだパスの先は右斜め前。前半36分、京都DFの裏をかくスルーパスで、MF西の2点目を演出した。DF田中の先制弾を導くFKに続き、通算6アシスト目。堂々のアシスト王に「意識するとダメなので、言わないでください」と照れた。
1つの喝でよみがえった。今季は失敗を恐れていた。北京五輪代表候補ながら、本戦メンバー18人の当落線上。ミスはしたくない…。そんな弱気がバックパスを増やした。16日のナビスコ杯東京戦のハーフタイム。GK川口に「失敗が怖くてサッカーなんかできるか!
嫌ならやめちまえ!」と怒鳴られた。「みんなからの信頼を得ないといけない」。疲れるまで動き続けたこの試合。内山監督も「ここ数試合、良くなった」とほめた。
東京青梅市出身だが、同じ左利きのMF名波にあこがれて磐田に来た。「名波2世」とも呼称された。その名波が復帰した今季。再びともにプレーできる喜びを、ようやく取り戻した。「まだ90分を通してできていない。これからです」。言い切る姿に、たくましさが加わった。【今村健人】



