鉄人が戻ってくる。左ふくらはぎ痛で離脱していた磐田のDF茶野隆行(31)が、新潟戦(10日、東北電ス)で4試合ぶりに先発復帰する可能性が高まった。8日の紅白戦では主力組でプレー。時にはCBの右にも位置して、攻撃参加を試された。6日の川崎F戦で大敗した守備陣の立て直しに、尽力する。

 茶野の表情は、生き生きとしていた。ようやく交ざった全体練習。4月26日の千葉戦で負傷してから12日目。その期間中待ち遠しかった。「今までずっと出ていたんでね。痛みもそんなにない。もう休むわけにはいかない」。鉄人と称される背番号3のプレーに、内山監督も「まったく問題ない」と太鼓判を押した。

 経験則を交えた決断が、2週間での復帰を後押しした。千葉戦の前半で痛めた左ふくらはぎ。後半前に自ら交代を申し出た。プレーすることはできた。だが「今までの経験から、肉離れの1歩手前だと感じた。行けば、逆に長引いてチームに迷惑をかける」。左太ももを肉離れした05年9月は、復帰まで1カ月かかった。同じ轍(てつ)を踏むわけにはいかなかった。

 復帰したこの日の紅白戦。普段の左CBだけでなく、加賀と代わって右にも回った。その意図を、内山監督は「以前にも右でプレーしたことがあるし、攻撃力を試したかった」と明かした。茶野も「(右も)違和感なくやることができた。(試合では)どっちでやるかなんて分からないですから」。加わった攻撃オプションを歓迎した。

 4失点した川崎F戦を見ながら、守備のイメージをつくっていた。「後ろがうまくバランスを取れば、数的不利でもやられることはない。連戦の疲れもあるだろうけど、自分にはない。貢献できるように」。新潟戦のアウェーは3勝1分け。その不敗記録を、伸ばしに行く。【今村健人】