今夏のDF緊急補強に向け、浦和の強化担当トップが欧州&南米視察することが8日、明らかになった。中村強化本部長と山道強化部長が9日に渡欧。欧州選手権の予選リーグを視察しながら代理人と接触し、DF選手のリストアップに入る。予選リーグ終了後にはブラジルに移動し、獲得可能な選手の調査を続ける予定。約3週間というロング視察が、DF補強への真剣度と熱意を物語る。

 現在、浦和にはMFポンテ、FWエジミウソンの2人の外国人が在籍。外国人枠は1つ空いていたが、エンゲルス体制でDF堤やMF細貝ら守備系選手が成長していることもあり「クラブの将来を考えれば若手が出場機会を失うような補強はマイナスでもある」(浦和幹部)と積極的ではなかった。

 しかし8日のナビスコ杯名古屋戦で屈辱的な5失点で大敗。DF闘莉王、DF阿部、MF鈴木が不在の最近3試合で計11失点と堅守のイメージも崩れた。9月以降にアジア・チャンピオンズリーグを控えることもあり、DF補強の必要性に拍車がかかった。

 浦和幹部は「8月まで外国人の補強はできる。今回は調査という意味合いが強い」と強調しているが、既に代理人サイドから複数のDF選手を紹介されており、条件次第では一気に交渉に入る可能性もある。1勝もできぬままナビスコ杯予選リーグ敗退となった反省を生かし、浦和はDF補強に本格着手する。