京都ユースFW宮吉拓実(16)が、トップの13日磐田戦(西京極)でベンチ入りすることが9日、濃厚となった。京都はこの日、京都・城陽市内で練習を行い加藤久監督(52)がユース所属でトップの練習に参加中の宮吉に関して「ベンチ入りは選択肢の1つ」と明言。出場すれば、16歳1カ月6日でのデビューとなりカターニャFW森本(当時東京V)の15歳10カ月6日に次ぐ歴代2位の年少記録となる。

 速くてうまい。「柳沢2世」と言われる万能型の16歳に白羽の矢が立った。ユース所属だが、今季から2種登録されトップの公式戦出場が可能。出番はなかったが、6月8日のナビスコ杯神戸戦(ホムスタ)でベンチ入りした。その直後に右腓骨(ひこつ)を亀裂骨折したが、懸命なリハビリを続けチャンスがめぐってきた。「試合に出れば、自分のことで精いっぱいと思う。やれることをやりたい」と初々しく話した。

 エースFW柳沢は「ボールを持つ感覚が自分に似ている」と評価。伝え聞いた宮吉は「うれしい。自分はまだまだですけど」とはにかんだ。16位磐田との勝ち点差は6。勝てば、J1残留へ大きく近づく。16歳の若武者が京都の起爆剤になってみせる。【奈島宏樹】