新生オフトジュビロがスタートした。J1磐田のハンス・オフト新監督(61)が10日、12年ぶりに磐田に合流した。さっそく降り立ったピッチでは、指示こそ柳下コーチに任せたものの、3本の紅白戦(各20分)で選手全員の特徴の把握に努めた。96年まで3年間率いて黄金時代の礎を築いた時代からの「変化」を強調し、何よりアグレッシブさを要求。最大目標のJ1残留に、まずは全力を尽くす。

 体形もクセも、何も変わっていなかった。スタッフ用の白いウエアはXXOのサイズがなかったため、急きょ紺のポロシャツでピッチに立ったオフト監督は練習前、おなじみの「指笛」で選手を集めた。「とにかくJ1に残ろう。それが目標だ。11試合残っている。残留のために全員一丸となって戦おう」。12年ぶりに踏んだ大久保グラウンドの芝の上で、強く訴えかけた。

 「助けてほしい」と連絡を受けて、復帰した磐田監督。最初はスカウトか助言だと思ったという。2度目の電話で監督就任を要請されて、古巣を救う決意をした。この日の紅白戦は柳下コーチに任せ、選手の把握に努めた。試合外の選手が何をしているか見て、リハビリ中のMF西とも話した。全員に目を配らせた。その上で出た結論が「あまり悪くない。ラッキーです。上げていくことはできる。その自信がなければ来ていない」との手応えだった。

 03年の浦和を最後に指導者の道を離れた。だが、居住するスペインでは毎週、最低2試合は観戦。ドイツやオランダリーグにも足を運んだ。12年前はマンツーマン守備を敷いたが、当時のシステムをそのまま当てはめるつもりはない。

 「サッカーは常に変化している。欧州は1トップが使われるようになったし、いろんなシステムがある。すべては選手の質次第。ただ、システムよりスタイルの方が重要で、アグレッシブさとか、それを私はもう1度見てみたい」。DF田中は「しっかり聞いてやることができれば、いい方向に進むと思う」と言い、GK川口も「チームにいい空気が生まれた」と言った。新生オフトジュビロが、始動した。【今村健人】