<J1:鹿島1-1川崎F>◇24節◇13日◇カシマ

 鹿島FWマルキーニョス(32)が「アルシンド超え」を果たした。川崎F戦の後半22分、アルシンド氏よりも豊かな?

 長髪がなびいた。ペナルティーエリア内でマーク2人を背にしたが、反転して右へ切れ込み、強引に振り切る。コースが空くと強烈な右足シュートでゴール中央へ打ち抜いた。通算80得点目。鹿島の名OBでもあった同氏を抜いて外国人選手歴代単独2位に立った。

 「記録はうれしいし、光栄だ。ただ勝てなかったことは残念だ」。ドローに終わったこともあり喜び半分。来日8年目だが最高のシーズンを送ろうとしている。今季16得点は自己最多だった昨年の14得点を上回り、得点ランク首位を独走している。外国人では珍しい遅咲きタイプ。「チャンス(の数)は毎年あったが、今年は運がある。それはチャンスに自然体でいて、落ち着いてボールを見ることで運も呼び込んでいる」と好調を分析する。

 落ち着いているのはゴール前だけではない。かつてはゴール後のバック転パフォーマンスが売りだったが、今はめったに見せない。「そんな体力が残っていないよ(笑い)」。ゴールを「狩る」ことだけに集中している助っ人が、リーグとACLの2冠を目指す鹿島を引っ張る。【広重竜太郎】