<J1:G大阪2-1京都>◇第25節◇21日◇西京極

 試合終了の笛を聞くと、西野監督は両手でガッツポーズ。いつものスーツではなく、ジャージー姿だった。7月20日千葉戦以来、リーグ7試合ぶりの白星に「逆境がいいという事と、僕がジャージーで指揮をした方がいいということかな」と笑った。

 名将も験担ぎするほど、悩んでいた。会場入り後、大雨の予報を聞いてジャージーに着替えた。脳裏には「全勝神話」がよぎったに違いない。今季はACLのアウェー戦に限って1次リーグからジャージーを着続けて5戦全勝。公式戦11試合ぶり白星を挙げた17日の準々決勝アルカラマ戦もそうだった。

 日本との時差6時間で9500キロ離れたシリアから帰国して中1日。過密日程だったが、「こういう状況でもG大阪のスタイルを出せ!

 自分たちでゴールを取れ」と奮起を求めた。イレブンは山口の先制ヘッドで流れに乗り、ロニーが勝ち越し弾を決めた。最後は必死の守りで逃げ切り、期待に応えてくれた。

 首位名古屋と勝ち点11差で、辛うじて奇跡の逆転Vに望みを残す。西野監督は「先のことは考えられない。とにかく厳しい試合が続く」と口元を引き締めた。【北村泰彦】