<J2:鳥栖3-2横浜FC>◇第38節◇28日◇ベアスタ
鳥栖が今季初の逆転勝ちで横浜FCを破り、2、3位との勝ち点差は1に縮まった。2-2で迎えた後半41分、MF高橋義希(23)が5月3日水戸戦以来のミドル弾を決めた。一時は終戦を覚悟した岸野靖之監督(50)も「この勝ち点3で挑戦権が続く」と昇格への意欲を再燃させた。
一番苦しい時に、キャプテンが底力を見せた。後半41分、高橋はペナルティーエリア右端の手前から、思い切り左足を振り抜いた。ボールが左ポストに当たりゴールに吸い込まれると、ベンチ脇の控え選手と抱き合って喜びを爆発させた。「追いつかれて勝てたのは、これからにつながる。熊本戦(20日)は本当に申しわけない結果だったから、勝てて本当に良かった」。
直前のホーム熊本戦は観客が初めて2万人を超えながら、九州ダービーに敗れた。岸野監督が「負ければ昇格もお客さんも失う」と意気込み、選手も期待に応えようとしたが、空回りに終わった。監督会見では「僕がすべて終わったと言ってはいけないが、そういうこと」と“終戦”を示唆。しかし、それは選手を鼓舞するためのメッセージだった。翌日の練習では「このまま力が抜けてしまうか、自分たちで招いた厳しい状況をうまく生かすか」と叱咤(しった)した。「選手はみんな、小さくまとまりたくないし、力を緩めたくない、と言ってくれた。みんなでボールを奪う原点に戻ろうと話し合い、それが逆転できる力につながった」と指揮官は、意図が伝わったと感じていた。高橋は「熊本に負けて、ある意味、良い切り替えができた。選手それぞれがベストを尽くすことを考えて、山形戦(23日)に臨めた」と話す。アウェーで山形を破った勢いを、2カ月ぶりの連勝で、さらに強めた。岸野監督は「まだまだ厳しいことに変わりはないが(昇格への)挑戦権はある。もつれて、もつれて最後に笑いたい」と、再び宣戦布告を口にした。【佐藤千晶】




