現役引退を決断した磐田MF名波浩(35)が、将来の磐田監督就任を目指し、S級ライセンス取得に動くことが13日、分かった。この日クラブ側から正式に引退が発表された。名波は14日に磐田市内で会見を行う。

 すでにB級ライセンスを取得済み。名波に近い関係者は「最終的には監督として磐田に戻ってきたいと思っている。S級を取るために、磐田でトップコーチをやるよりも、(日程的に)動きやすい環境を選ぶかもしれない」。ライセンス取得に必要な講習や実地研修を受けやすくするため、1度クラブを離れる可能性をほのめかした。

 一方クラブ側は、名波のこれまでの功績とリーダーシップを評価し、コーチ就任を要請することを検討。クラブ幹部は「指導者としても評価しているし、名波自身が監督になるまでどういうステップを踏んでいきたいと思っているかによる」と、身の振り方について今後話し合いを進めていくつもりだ。

 チームは現在15位で、J1残留争いをする厳しい状況。名波はこの日の磐田市内での練習後に、引退表明後初めて公の場で口を開き「残留とおれの引退は別物」と、残り3戦に集中する姿勢を見せた。昨オフ、レンタル移籍先の東京Vで1度は引退を決意しながらも、「お世話になった磐田に恩返しをしたい」と古巣復帰を決断した。まずは磐田を残留させ、それから次の夢に向かってスタートを切ることになる。