逆転優勝を狙う浦和エンゲルス監督(51)が21日、日本代表FW田中達也(25)にフル回転指令を出した。19日のW杯アジア最終予選カタール戦で先制ゴールを決めた田中達は同日の非公開練習からチームに合流。今季、度重なる故障離脱でリーグ戦のフル出場は3試合にとどまっているエースに対し、指揮官は23日清水戦(埼玉)から最終節までの残り3戦でのフルタイム起用を示唆。田中達も逆転Vへ向けて今季初となる3試合連続フル出場に意欲を見せた。

 日本代表で先制点を挙げたエースに浦和の命運を託す。エンゲルス監督はこの日、クールダウンと治療で引き揚げた田中達を23日の清水戦で起用できると確認。帰国から中2日での実戦となるが、8月16日東京戦以来となるフル出場について「当然そのつもり。準備してほしい」と明言した。

 指揮官の期待に応えるべく、田中達は心身の準備を整えた。この日、直接対話はなかったが「準備はしておきたい。3試合、全部やるつもり」と力を込めた。まだ時差ぼけも残るため、コンディションを意識して調整。「(筋肉の)悪い張りは出ていない。全然問題ない。3試合に懸けてやりたい」と、力強くフル回転の決意を口にした。

 W杯最終予選カタール戦では、前半19分に先制弾を挙げるMVP級の活躍をみせたが「次はレッズ。それ(代表戦)は忘れて、今日から切り替えてやりたい」と、頭を切り替えた。浦和は現在首位鹿島と勝ち点1差の2位。天皇杯は5回戦で敗退し、6年ぶりの無冠を阻止するにはリーグ制覇しかない。今季の田中達は5回も故障離脱。フル出場による再発も懸念されるが、タイトル奪取への責任感が胸の奥にある。

 清水戦には来季の監督就任が決定的なドイツ2部フライブルク元監督のフォルカー・フィンケ氏(60)が観戦に訪れる予定。今冬には欧州移籍の実現も目指すが、今は残り3試合以外は眼中にない。「3勝するだけ。(逆転Vを)信じてやるしかない」。優勝の2文字だけを見据え、田中達がピッチに立ち続ける。【浜本卓也】