J1残留争いをする磐田が、DF不足で大ピンチに陥った。DF鈴木秀人(34)が、ウイルス感染による発熱で、27日の練習を欠席。鹿島戦(29日)2日前での突然の主力離脱により、緊張が走った。残留のため、天皇杯組とリーグ戦組に選手を完全に分け、メンバーを固定してきたハンス・オフト監督(61)は、予想外の事態でフォーメーション変更を余儀なくされることになった。

 練習場にピリピリムードが漂った。26日の午前中までは元気だった鈴木が、この日はクラブハウスに姿を見せなかった。練習後、オフト監督は「バクテリア(細菌)に感染し、熱があって抗生物質で抑えている。それほど熱はないが、抗生物質を使うとだいぶ体力を消耗してしまう」と説明。練習前に事情を聴き、予想外の事態のせいか、練習中は終始表情が硬かった。

 鹿島戦で鈴木が離脱となれば、DF不足の事態に陥る。累積による出場停止からDF加賀が復帰したが、入れ替わるように茶野が残り2戦出場停止。腰痛のため離脱しているDF田中は、現在もリハビリを続けている。代役候補のDF大井、森下は26日の天皇杯G大阪戦でフル出場したばかり。今週から主力メンバー12人を固定し練習してきたことが裏目に出た。今季初めて4バックにする可能性もあるが、オフト監督は「どうするかはギリギリまで考えないといけない」と、みけんにしわを寄せて話した。

 加えて鹿島には、02年9月7日に勝って以来、リーグ戦11試合連続で勝てていない。残留するために負けは許されない同監督は「強い相手で、ジュビロにとって難しい試合になる」と、苦戦必至を覚悟していた。【栗田成芳】