最終決戦にオレを使え!

 J2仙台FW平瀬智行(31)が11日、J1磐田とアウェーで戦う13日の入れ替え戦第2戦への、先発出場を志願した。今決戦の直前にインフルエンザにかかり、10日の第1戦はベンチ入り止まり。だがコンディションも戻り「監督を胴上げさせる」と自信たっぷりの男の頭には、今季の最終戦で昇格弾を決めるイメージが描かれている。

 大口をたたくことで調子を崩すのを恐れる男が、珍しく思いのたけをはき出した。昇格のかかるラストゲームに、先発出場して勝利に導きたい。そんな思いが言葉の端々に表れた。

 平瀬

 メンバーを決めるのは誠さん(手倉森監督)だけど、使ってくれないかなぁ。メチャクチャ体が軽いし、インフルエンザで熱も出なかったし、ホント調子がいい。

 第1戦を2日後に控えた8日の練習を、ウイルスに侵されてやむなく休んだ。だがこれが、功を奏した。平瀬は「なんで大事な時期に(病気になるのが)オレなのよ?

 って、へこんだけど、逆に体がピンピンになった」と笑う。

 ウイルスも消え体調の不安は消えたが、初戦はベンチスタート。「ここまで頑張ってきたから、先発じゃないのは悔しい。でも試合を見ていて、磐田の付け入るスキを探していた」と、第2戦への準備に抜かりはなかった。

 戦況を見つめながら平瀬は、01年の鹿島時代に磐田と戦った、チャンピオンシップ第1戦のことを思い出していた。

 平瀬

 1-2だったんだけど、オレが同点ゴールを決めた。磐田と相性がいいイメージがあるんだよね。

 第1戦ではFWナジソンが「予告ゴール」を達成した。今度はオレも-。

 平瀬

 FWで一番、ゴール(11得点)してるし、プライドをかけて誠さんを胴上げする。

 「先発で使え」と言わんばかりに、熱のこもった話しぶりだった。ホーム戦1-1の結果から、昇格の最低必要条件はゴールを挙げること。もちろん、その昇格ベルは、平瀬が鳴らす。【山崎安昭】