千葉FW巻誠一郎(28)が年俸上積みを断り、あえて現状維持の条件で来季契約に合意したことが27日、分かった。同日までに3度目の更改交渉に臨み、決着した。今季は11得点で逆転残留に貢献。他クラブが獲得を狙う存在でもあり、千葉側も年俸アップに備えていた。

 だが、関係者によれば、巻は新練習場建設などよりよい環境づくりに取り組むクラブの姿勢に共感。「そちらにお金をかけてほしいから」と賃上げ交渉に入らず、当初提示された年俸6000万円(推定)を、そのまま受け入れた。また、選手の社会貢献機会を増やすことなどを強く要望し、クラブ側も来年始動日から地元施設訪問を企画することで応えた。意思疎通が速やかに図れたことで、07年には6度の交渉を重ねたことがある巻にとっては、異例のスピード決着となった。