<練習試合:川崎F3-2山形>◇21日◇宮崎・国際海浜エントランスプラザ◇45分×3本
今キャンプ初のJ1クラブとの試合で、J1山形が大きな手応えをつかんだ。川崎Fに2-3で敗れたが1、2本目は両チームとも主力が出場し、90分間では1-1のドロー。1本目35分、FW長谷川悠(21)に同点弾が出るまでは防戦一方だったが、次第に流れをつかんだ。小林監督は「しのいで粘れば何とかなる」と、内容を評価した。
昨季J1リーグ2位チームの速さに、山形イレブンが戸惑った。試合開始から長谷川を除いた10人が自陣に押し込められ、守備に奔走させられた。相手の勢いに押され1本目の8分、FWジュニーニョに先制された。その後も防戦一方。報道陣から「何点取られて負けるんだ」という声が聞こえた。
そんな予想を裏切る形で30分が過ぎたころ、山形がチャンスをつくり始めた。シュートできないまでも、相手陣内でのプレーが増える。流れが変わった。そして35分。左サイドからドリブルで仕掛けた古橋のボールが、ゴール正面にいた長谷川の元へ。左足できっちり押し込んだ昨季のチーム得点王は「相手の速さに慣れなかったけど、だんだんやれる感じがしてきた」と手応えを口にした。
開始前に「立ち上がりをしのげば何とかなる」と激励した指揮官。展開は、その読み通りだった。「J2と違ってJ1はミスをしない。20分以上ボールを回されることだってあるんだから」と、かつて大分、C大阪でのJ1指揮経験を踏まえて話した。だが、すぐに表情を変え「その時間をしのいで粘れば(流れが)変わるんですよ」とニヤリ。日本代表の相手MF中村は「35分まで山形に何もさせなかったんですけど…」とドローに困惑したほどだ。
スコア以上に何よりの収穫は、実際にJ1のレベルを肌で感じたこと。「じれないで我慢すればやれるということが、選手にインプットされたでしょ」と指揮官は上機嫌だ。口癖になりつつある「せこく勝つ」ための「粘り」と「しのぎ」のプレーを、選手が体現した。【山崎安昭】



