<ナビスコ杯:清水2-0京都>◇29日◇予選リーグA組◇アウスタ

 J1清水は2-0で京都を下し、今季公式戦初勝利を挙げた。今季初先発のDF高木純平(26)が前半、アウスタ1号となるゴールで先制。後半にもMF枝村匠馬(22)が追加点を挙げて快勝し、昨季準Vのナビスコ杯を白星発進した。

 今季4戦目で勝ち取った初勝利の主役を演じたのは、今季初スタメンの高木だった。前半42分、FWヨンセンからFW原にパスが渡ると、右サイドバックの高木は、相手DFラインの背後に思いきり良く飛び出した。原からのスルーパスに反応し、相手GKの動きを冷静に見ながらゴール右隅に流し込んだ。「一樹にボールが入ったところで、中が空いていたから。ラッキーでしたね」と、06年10月1日以来、910日ぶりのゴールに笑顔を見せた。

 今季から新名称になったアウスタでの1号弾は、最高のアピールにもなった。高木は、鹿児島キャンプの、練習試合で凡ミスから2失点を献上し、サブ組に降格。ここまでリーグ3戦は不出場だった。「キャンプで(監督を)1度裏切ってしまっているからね。今日はリベンジに成功して良かった」と、満足げに笑った。長谷川監督も「よくやった。今日は言うことない」と、ヒーローをたたえた。

 高木のプレーは、清水の攻撃に変化をもたらした。ここまでのリーグ戦では、サイドバックのオーバーラップの回数は、数える程しかなかった。そのため、攻撃に厚みがなく単調な攻めが続いた。しかし、この日は、高木が自身の特徴でもある「超攻撃型」DFの姿勢を貫き、何度も右サイドから突破を図った。「僕が上がれば相手のDFが引きつけられて、中盤の選手が空いてくる。相手を困惑させることもできる」。高木の読みどおり、清水の中盤はボランチの山本真を軸に、兵働、藤本、枝村の連係がかみ合いパスが回った。

 「積極性」でつかみ取った今季初勝利。リーグ戦再開の次節神戸戦(4月5日)につながる大きな1勝は、連勝街道の第1歩になる。【為田聡史】