<J2:仙台2-1水戸>第11節◇29日◇宮城ス

 J2仙台MF関口訓充(23)が、今季初ゴールのV弾を挙げ、ベガルタを4連勝に導いた。前半ロスタイムに0-0の均衡を破り、4位水戸に2-1で勝利。J2通算150試合出場の節目に、悩みを吹き飛ばす1発を沈めてチームを5位から4位に押し上げた。最近は得意のドリブルがチームで機能せず不満を抱えていたが、前日の練習後にDF木谷に相談して解消。気分一新して結果を出した。

 相手DFから奪ったボールを、MF梁がゴール前へ送る。走り込んだのは快足関口。GKの動きを見て右足を振り抜いた。「連戦の中、当たり前に決めないといけないシーンだった」。左スミに決めると、スタンドを向いて感謝した。指でつくった「+」の文字を胸の番号「11」の上に重ね合わせる。意味は1+1=2。DF木谷の背番号だ。

 J2屈指のドリブラーは人知れず悩んでいた。

 関口

 試合の中で、自分のやりたいことと違うことがあったり、いろんな面でストレスやフラストレーションがたまってました。

 持ち味のドリブルとチームプレー。理想と現実で悩み、先輩に打ち明けた。前日の練習後、木谷と食事し「自分の感情、愚痴を聞いてもらった。試合に出てない木谷さんが、自分を後回しにして相談に乗ってくれた」と話す。12日のC大阪戦では何度もドリブルで好機を演出したが、関口の動きに周囲が合わせられない場面もあった。首脳陣から「ドリブルは読まれている」とも指摘され、持ち味を生かせず苦しんでいた。

 26日の熊本戦後も「クールダウンじゃなくて練習したい」と直訴するほど悩んでいたが、木谷からアドバイスされ気持ちが晴れた。手倉森監督からも「今日の関口は、空いたスペースに走り込んでボールを引き出していた。気の利いた動きだった」と、ドリブル一辺倒からプレーの幅が広がったことを評価された。

 関口の活躍でチームは昨年9月以来の4連勝。4位に浮上し、首位C大阪に勝ち点差4まで迫った。一皮むけた関口が、ベガルタを押し上げる原動力になる。【木下淳】