「児玉フィーバー」到来!?

 浦和戦でプロ入り初ゴールの同点弾を決めたJ1清水DF児玉新(26)は一夜明けた4月30日、練習場の三保グラウンドに詰め掛けたサポーターから祝福攻めに遭った。この日は、次節広島戦(2日、広島ビ)に向け約1時間の軽めのメニューで調整。普段から控えめなレフティーは「申し訳ないッす」と、思わぬ祝福攻めに照れ笑いを浮かべて顔を赤らめた。

 児玉が現れると、自然と拍手がわき起こった。29日の浦和戦で同点弾を決め、練習場に詰め掛けたサポーターからの祝福に顔を真っ赤にしながら応えた。色紙にサインを求められるところまでは、普段と変わらなかったが、この日はサポーターから「『初ゴール』って書いて、日付は29日にしてください」と半ば強引な?

 要望が出たり、花束などのプレゼントが両手を埋め尽くした。最後は、サポーターとの記念写真にまで応えた。

 プロ入り9年目で初ゴールを決めた前夜は、初ゴールをアシストしたMF山本真らチームメートにすしを振る舞い、兄貴分としてチームの士気を高めた。「みんな喜んでくれました。ありがたいッすね。メールも30通ぐらい来ましたし」と、控えめに笑顔を見せた。

 異様なまでの祝福ムードは、普段の堅実な人柄があってこそだ。「家に帰って寝るときに頭に思い浮かぶのは、ミスのシーンとゴールシーンが半々ぐらいですね。表に出るようなタイプじゃないから」。9年目にしての“記念日”にもかかわらず反省を忘れない。「負けなかったことは確かに大きい。でも、勝っていないということを忘れないようにしないと」と、中2日で控える広島戦での4戦ぶりの勝利を誓った。

 自らを「月見草」と例える楽天野村監督の監督通算1500勝目の日-。控えめな清水のレフティーも節目の1日を迎え、新たなスタートを切った。【為田聡史】