<ナビスコ杯:清水2-1柏>◇30日◇予選リーグB組◇日立柏

 J1清水は柏を下し、アウェーで貴重な勝ち点3を獲得した。前半2分、MF山本真希(21)が公式戦2戦連発となる先制弾を決めると、同18分にはCKからDF岩下敬輔(22)が追加弾。終盤に1点を返されるも安定した試合運びで逃げ切った。これで、山形と並び予選Bグループの2位タイに浮上し、決勝トーナメント進出に前進した。

 鮮やかな先制パンチだった。試合開始早々の前半2分。FKから細かいパスをつなぎ、最後はMF兵働からのパスを受けた山本真が、冷静に右足で流し込んだ。「ふらふらっと前に行ったらフリーだった。GKに触られたけど、うまく入ってくれて良かった」と、自身初の公式戦2戦連発弾に笑顔を見せた。

 さらに、岩下も続いた。山本真の先制弾から16分後。右CKのチャンスに強烈なヘディングシュートをゴールに突き刺した。「兵働さんが、いいボールを蹴ってくれたんで、後は合わせるだけでした」。新潟戦(23日)では累積警告で出場停止だったが、チームは1-0の完封勝利を収めた。「危機感はあったし、なんとか結果を出していいパフォーマンスを見せたかった」と“復帰弾”で存在感を見せつけた。

 昨季、決勝まで勝ち進んだナビスコ杯だが、今季は前節の山形戦(5月20日、0-1)でまさかの敗戦を喫した。順位を5位まで下げ予選突破すら危ぶまれる状況で臨んだ敵地での一戦で価値のある勝利をつかんだ。長谷川監督は「結果には非常に満足している。次もホームで千葉を倒して(予選突破に)前進できるようにしっかり準備したい」と口元を引き締めた。失いかけた自信を取り戻しつつある清水の快進撃が、いよいよ始まる。【為田聡史】