日本サッカー協会が、天皇杯改革に踏み切ったことが7日、分かった。従来はJ2が3回戦、J1は4回戦から登場だったが、今年からJ全36チームが2回戦から登場、大会を活性化させることを決めた。また昨季は、大分がメンバーを落として天皇杯に臨んだことがあり、今大会から「最強メンバーで臨むこと」を大会規定に盛り込んだ。J各クラブからも了承を得ており、今月中には正式に発表される。

 日本で最も伝統と権威のある大会が、リニューアルされる。日本協会は、天皇杯を名実ともに最高の大会にすべく、Jクラブを早期の段階で投入することを決めた。既にJ各クラブに通達済みで、今季から2回戦(10月10日)に登場させる。従来はJ1が4回戦(11月初旬)からで、アマチュアチームがJ1クラブと対戦するには3度勝たねばならなかった。それが、今季からは1回勝っただけで、トッププロと公式戦で対戦できるようになった。

 Jリーグ常務理事で天皇杯担当の佐々木一樹氏は「Jクラブを2回戦から出場させることで、大会の活性化を図る。予選を勝ち抜いた各地域の代表は、頑張れば次はプロと対戦できるわけだし、モチベーションも上がる」と期待した。

 昨年まで2回戦の平均観客は1000人以下だったが、今季はJ全クラブが登場することで、観客増も期待できる。単純計算でJ1の試合数が2試合増えることになり、反発も予想された。だが、6カ月以上も前からプランを立て、Jクラブの理解を求めたことや、サッカー界全体の活性化につながる企画だけに、反対意見はほとんどなく、すんなり決まった。

 昨年は、天皇杯4回戦に登場した大分が、優勝した4日前のナビスコ杯決勝戦のメンバーから先発を10人入れ替えて、J2鳥栖と対戦し、0-2で敗退した。厳重注意だけで、ペナルティーはなかった。それも今季からは、J規約にもある「最強チームで臨むこと」を大会規定に盛り込む。今後はベストメンバーで臨まないと、ペナルティーを科されることになる。

 佐々木常務理事は「今後も天皇杯を盛り上げるための努力を続ける」。J発足に伴い、輝きを失いつつある天皇杯が、再び注目される日は近い。