<J2:富山0-0札幌>◇22日◇富山

 コンサドーレ札幌は、富山に0-0で引き分けた。初出場した新戦力石川直樹(23)がDFラインを統率。3試合ぶりの勝ち点3はお預けとなったが、相手に決定機を与えぬ安定したプレーで10試合ぶりの完封に貢献した。

 合流わずか1週間足らずの男が、札幌のDFラインに闘志を吹き込んだ。同期の吉弘とセンターバックのコンビを組み90分間、落ち着いたコーチングでチームを鼓舞し続けた。「練習は短かったけどコンビネーションに問題はなかった。バランスもまったく問題なかった」。徹底した高いDFラインに石崎監督も「勇気あるラインコントロールだった」と及第点を与えた。

 チームメートも石川の加入に大きな変化を感じている。「(石川)直樹が入って集中力が90分間途切れなかった」とDF西嶋は言う。素早い富山のカウンターも、強気のライン操縦で対応したため、裏に抜けられてもオフサイド。終盤15分でばたつく癖も消えた。

 石川は「石さんのサッカーは時間がかかる。勝てなかったのは残念だけど、信じてやれば結果は必ず出る」と次戦に目を向けた。柏時代の06年に指揮官とともに1季で昇格した“石崎っ子”が、失いかけた自信を呼び戻す。【永野高輔】