<ナビスコ杯:(3)川崎F3-0鹿島(1)>◇準々決勝第2戦◇29日◇等々力※カッコ内は2戦合計得点
川崎Fが値千金のロスタイム弾で鹿島を止めた。第1戦を0-1で落として迎えた第2戦。敗退濃厚だった0-0で迎えた後半ロスタイムにFWジュニーニョ(31)がゴールを決めて、2戦合計1-1で並び延長戦に突入。その延長前半に2点を加点して、国内公式戦18戦無敗の鹿島を3-0(2戦合計3-1)で下し、準決勝進出。アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)を含めた4冠獲得にも望みをつないだ。
後半のロスタイムが4分を回ったところで「奇跡」が起きた。FWジュニーニョの右足シュートが、GK曽ケ端の頭上を越えてネットに吸い込まれた。準々決勝敗退を目前にしての劇的な「同点」ゴール。ジュニーニョは、スタンドの観客に向かって絶叫した。
MF中村が振り返る。「あれでいけると思った」。あの一発でチームに一体感が生まれた。延長戦前、全員で円陣を組んだ。鹿島とは今月2度対戦し、1敗1分けだったが、戦績や戦術を超えた気持ちが、選手の体を動かした。延長前半4分にFWレナチーニョが頭で勝ち越し点を押し込む。同12分には右ひざの靱帯(じんたい)損傷から復帰したFW鄭が、左足でダメ押し弾を決めた。
1-3で惨敗した26日のリーグ戦京都戦が転機となった。翌27日、関塚監督は豪雨の中、中村ら6人を呼び、全身ずぶぬれになって訴えた。「鹿島に勝って4強に行くことだけ考えるんだ」。指揮官の熱弁に選手たちの闘争心に火が付いた。試合前日の28日も異例の戦術練習を行い、京都戦前まで続いたリーグ9戦無敗の堅守を再確認した。
一方でリーグ戦から中2日で迎える鹿島戦に備えて、京都戦ではエースのジュニーニョをベンチスタートにして温存した。さらに試合後も少しでも早く川崎に戻れるよう最終の新幹線を手配。選手たちの体調管理に細心の注意を払った。「今日はここ数試合はなかった球際の強さがあった」と関塚監督は振り返った。
公式戦18戦不敗を続けていた鹿島を撃破して2年ぶりの4強進出は、今シーズン後半戦への大きな自信になった。「タイトル取りたい。鹿島をたたいたんだから」とMF山岸。ジュニーニョは「今はチーム内競争が激しいけど、仲もいい。必ず優勝できる」。ACLを含む4冠獲得の夢も、最後まであきらめない。【村上幸将】



