<J2:札幌1-0福岡>◇第40節◇20日◇室蘭

 コンサドーレ札幌が福岡に1-0で勝利した。後半3分にMF上里一将(23)が20メートルの直接FKを決め先制。残り42分をDF陣が耐えしのぎ、8月16日の岐阜戦以来6試合ぶりの完封勝利を挙げた。ホームでは7月25日の岡山戦以来6試合連続負けなし。チームは勝ち点を61とし、残り11試合に最後の可能性をかける。

 上里が華麗なFKで汚名返上を果たした。後半3分、自ら倒され得たチャンスを逃さなかった。室蘭特有の強い向かい風の中、得意の左足を振り抜くと、ボールは美しい弧を描きゴール右上に突き刺さった。「得意の位置。枠に入れることだけ考えた」。04年の天皇杯4回戦市原戦でプロ初ゴールを決めた思い出のピッチで、豪快にプロ初FK弾を決めた。

 「前節は自分のミスで負けたから、どうしてもとり返したかった」。1-2と苦杯をなめた甲府戦は左サイドバックで先発出場も、前半ロスタイムにゴール前でボールを奪われたことが原因で失点につながった。石崎監督は上里の守備面での不安を考慮して今季初めてトップ下に起用。この日はゴールだけでなく得意のロングボールを生かしたサイドチェンジなどでゲームをつくった。指揮官も「シュートも素晴らしい。攻撃の起点にもなれていた」と高く評価した。

 今季は本職のボランチではなく左サイドバックでの出場が増えた。中盤での先発出場は8月5日の福岡戦以来8試合ぶり。身体能力の高いダニルソンの成長、トリッキーなパスを出す宮沢の抜てきもありボランチとして出場する機会は減っていた。それでも「自分はサイドバックの位置からゲームメークをしようと心がけている」とめげることなく練習に取り組んできた。

 5、9日に行われた日本代表の欧州遠征をテレビ観戦した際も、サイドバックは見ずゲームメーカーの中村憲、遠藤のプレーに注目した。「憲剛さんは考えている時間がないぐらい判断が速い。遠藤さんはミスがなく勝負どころですごいパスを出せる」。自分を失わない芯の強さと研究熱心さが、突然のトップ下起用に応えるだけの素地になった。

 「僕らはあきらめていない。サポーター、選手一丸となって戦いたい」。リーグはまだ11試合残っている。23歳の最年少主将とともに、若い札幌が最後まで勝利を追い求め続ける。【永野高輔】