<J1:名古屋3-3磐田>◇第30節◇25日◇豊田ス

 磐田が「うれしはずかし」のJ1残留を決めた。名古屋を相手に日本代表FW前田遼一(28)が後半3分にハットトリックを達成。得点王争いを独走するエースの活躍で、Jリーグ史上最速となる「通算1000ゴール」に到達しながら、後半15分からまさかの3失点。3-3で引き分けたが何とか勝ち点「1」を得て、残留は確定させた。

 大記録とともにJ1残留を決めても、喜んではいられなかった。3-0から選手もサポーターもまさかのドロー。前田のハットトリックで早々と勝利を決めたはずが、3連続失点で勝ち点3を取りこぼした。柳下監督は「速攻と遅攻の判断が悪い。急ぎすぎてボールを失っている。3-0から、そのまま勝ち点3を取れるゲーム運びが必要だった」と悪夢を振り返った。

 たった1つの交代を機にリズムが崩れた。後半12分にDF犬塚が足をつらせた。代わりに入ったDF大井が、直後の後半15分にオウンゴールを献上。大井は同29分に194センチの長身FWケネディに競り負け、同34分にはゴール前で相手FWを倒し、同点となるPKを与えてしまった。

 鮮やかな勝利で、記録ずくめのJ1残留決定を飾りたかった。前田の自身3回目の3得点で、磐田はG大阪を抜いてJ1単独1位となるクラブ通算18回目(7人)のハットトリックを達成。同時に、鹿島の552戦を更新するJ1最速の通算538戦目での「通算1000ゴール」に到達した。屈辱的な0-3からの引き分けで記録が色あせることは決してないが、何とも悔しい結果となったことは確かだ。今季18ゴールで得点ランク首位独走態勢に入った前田は「これからも取り続けていきたい」と気を引き締めて誓った。

 4試合を残して残留を決め、肩の荷は下りた。昨年の苦しみを知る選手たちにとって、J2降格の重圧は現実のものだった。この日ベンチ入りしたFW中山は言った。「個々のレベルアップに力を出せるのではないか」。ここからは、来季につなげるための戦いが始まる。【栗田成芳】