G大阪の元日本代表FW播戸竜二(30)が4日、今季限りでの退団を電撃表明した。自身の公式ブログに「来季、G大阪と契約を延長しないことになりました」と記し、契約満了に伴い構想外になったことを明かした。闘志むき出しにしたプレーが持ち味の闘魂FWも、今季は出場機会が激減。リーグ戦の出場20試合はすべて途中からで、2得点と不本意な成績だった。既に来季J1昇格の可能性がある仙台と接触しており、年内にも移籍先を決める方向だ。

 突然の退団表明だった。この日の練習後、播戸は自身の公式ブログに「報告。」と題し、契約満了に伴い、来季構想外になったことを明かした。リーグ戦、天皇杯とまだ優勝の可能性を残しているシーズン中に、ホームページ上で退団を表明するのは極めて異例。ガッツあふれるプレーが持ち味の闘魂FWは、最後まで「らしさ」を貫いた。

 “原点”でもあるG大阪との決別だ。兵庫・琴丘高3年の時。大学進学を薦める周囲に「プロになれんのやったら、ブラジルに行く」と譲らなかった。ようやく練習生として月給10万円でG大阪と契約した際には「金はいらん。チャンスをください」とまで言った。

 札幌、神戸と渡り歩き、06年に復帰。同年に日本代表に初招集され「拾ってくれた」クラブに恩返しした。国際Aマッチ7試合2得点。デビュー戦の06年10月4日ガーナ戦では右側頭部を6針縫い流血しながらピッチに立つなど、数字以上に記憶に残る選手だった。

 今季は葛藤(かっとう)の連続だった。ここまでリーグ戦の先発はない。30歳になり衰えも見え始めたが、出場機会が激減する現実を受け入れられなかった。選手を寄せ付けない雰囲気を漂わす西野監督に「先発で使ってください」と直訴したこともある。ブログには「ここで引退できたらどれだけ幸せやろうって思う」とG大阪への“未練”を記した。

 今後は出場機会を最優先に移籍先を探す。これまでも「次に行くクラブで骨を埋めるつもりでないとね。プロである以上、試合に出ないとダメやから、慎重にね」と話している。既に来季のJ1昇格の可能性がある仙台と接触。年内にも移籍先を決める方向だ。